予想外に長期存続している変動相場制

予想外に長期存続している変動相場制

その後、同年12月に主要国の代表が、ワシントンのスミソニアン・インステイチューションに集まり、ドルの切り下げが行われた(スミソニアン合意)。この際、円は1ドル=308円に切り下げられた。しかし、1973年2月に、ドルは再度切り下げられ、各国はなし崩し的に固定相場制を離脱し、変動相場制へと移行した。

 

この体制は、奇跡的に長続きし現在に至っている。ドルが金という裏打ちを失い、しかも、その経済力が相対的に悪化しドルの下落が続いているのにもかかわらず、なぜドルはこれまで基軸通貨の地位を維持することができたのか。それは、これまで米国以外に基軸通貨国の要件を満たした国がなかったことと、ドルが基軸通貨として広く普及したため、人々がドルの使用を断念することに二の足を踏むようになったことが挙げられる。

 

前述した基軸通貨と基軸通貨国の要件(1)〜(5)のうち、米国はその国力の相対的優位性を失いながらも、(5)通貨価値の安定以外は、これまで要件を何とか満たしてきた。

 

人々がドルの使用を断念することに二の足を踏むようになったこととは、経済学では、ネットワーク外部性と呼ばれ、例えばパソコンのOSとしてウィンドウズが一度独占的に普及してしまうと、多少問題があっても、利便性が勝りその地位をなかなか失わないことと同様の現象だ。しかし、いよいよドルも年貢の納め時が迫っている。

FX投資家が注目している豪ドルの売り買いの材料が明日発表される。豪州準備銀行の政策金利発表が予定されている。ユーロにおいては利上げ観測が高まっている中、米国でも利上げ観測が高まりつつある。さて、豪州はどうなるか?3月の安値水準から12円以上高騰した豪ドル円の動向が注目される。